相手の気持ちを知りすぎると、人は動けなくなる
――占いが与えるもの、奪ってしまうもの――
鑑定の現場で、よく聞かれる質問があります。
「相手は、私のことをどう思っていますか」
「本当は、何を考えているのでしょうか」
「気持ちが分かれば、決められる気がするんです」
その気持ちは、とても自然だと思います。
人は誰でも、不安なときほど「相手の気持ち」を知りたくなります。
けれど私は、その質問を受けるたびに、
心のどこかでブレーキを踏みます。
相手の気持ちが分かれば、楽になるのか
一時的には、楽になると思います。
「まだ好きだと言っている」
「迷っているだけ」
「あなたを大切に思っている」
そう聞けば、
今の苦しさは、少し和らぐかもしれません。
でも、鑑定を重ねる中で、
私は何度も同じ場面を見てきました。
相手の気持ちを知れば知るほど、
人は動けなくなっていく のです。
「相手基準」で生き始めてしまう怖さ
相手の気持ちを知りすぎると、
判断の基準が、少しずつ変わっていきます。
・相手がこう思っているから、やめておこう
・今はこういう気持ちだから、待とう
・もう少し変わるかもしれないから、我慢しよう
気づけば、
自分の気持ちではなく、
相手の気持ちを中心に人生を組み立てるようになります。
それは優しさではありますが、
同時に、とても危うい状態です。
数秘が見るのは「相手の気持ち」ではない
私が数秘で見るのは、
相手の心の中ではありません。
・この関係は、今どんな段階にあるのか
・あなたは、どんな役割を担っているのか
・動く時期なのか、備える時期なのか
数秘は、
「相手が何を考えているか」よりも、
「あなたが今、どこに立っているか」 を教えてくれます。
占いが奪ってしまうもの
占いは、使い方を間違えると、
人から大切なものを奪ってしまいます。
それは、
自分で決める力です。
誰かの気持ちを何度も確認し、
タイミングを占いに委ね、
答えを外に求め続ける。
その状態が続くと、
人はどんどん動けなくなってしまいます。
花暢が「気持ち鑑定」を慎重に扱う理由
私は、
相手の気持ちをまったく見ないわけではありません。
けれど、
それを主軸にはしません。
なぜなら、
鑑定のゴールは
「相手を理解すること」ではなく、
「自分の人生に戻ること」 だからです。
本当に大切なのは、あなたの気持ち
鑑定の終盤で、
私はよくこう問いかけます。
「あなたは、どうしたいですか」
「この関係の中で、幸せを感じていますか」
最初は、
答えられない方も多いです。
でも、しばらく沈黙したあと、
ぽつりと出てくる言葉があります。
その言葉こそが、
占いよりも、
誰かの気持ちよりも、
信じていい答え だと、私は思っています。
占いは、決断の代行ではない
占いは、
人生を代わりに決めてくれるものではありません。
でも、
人生を見つめ直す
静かな時間 を与えてくれます。
その時間の中で、
自分の気持ちを取り戻せたとき、
人は自然に動き始めます。
花暢の鑑定が目指す場所
私の鑑定が目指しているのは、
「また聞きたくなる占い」ではありません。
「もう大丈夫です」
そう言って、
自分の人生に戻っていく姿を見ることです。
占いは、
不安に縛るものではなく、
自由にするもの。
私は、そう信じています。
🌸 次回予告(第2章・第5話)
次回は、
「いつ動くべきかは、数秘が教えてくれる」
――タイミングという考え方について書きます。